さて日常的に使われることはあまりないですが、「折衝」という言葉があります。
この折衝に使用されている漢字（特に”衝”）は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは折衝の読み方と意味、「せっしょう」と「せっこう」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
１．折衝の正しい読み方は「せっしょう」「せっこう」？
では折衝の正しい読み方は、「せっしょう」「せっこう」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、折衝の正しい読み方は「せっしょう」になります。
折衝の”折”は「お（る）」「せつ」、”衝”は「つ（く）」「しょう」と読むことはできますが、”衝”は「こう」と読むことはできないので、折衝を「せっこう」と読むのは間違いです。
また折衝の”折”の読み方は「せつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「せっ」という読み方をすることはできません。
折衝のように「せつしょう」ではなく、「せっしょう」と変化して読むのは、日本語の「促音化（そくおんか）」と呼ばれているものです。
促音化とは、”２つの語が結びついて１つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語（カ行・サ行・タ行・パ行）の前に付いた音が「っ」（これを促音という）に変化する現象のこと”を言います。
折衝であれば、折（せつ）＋衝（しょう）なので、衝（後ろの語）の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器（がっき）」や「切削（せっさく）」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音（「っ」）に変化するため、
「楽（がっ）」「切（せっ）」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音（「っ」）に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で折衝の意味と類義語について解説していきます。
２．折衝の意味と類義語について
では折衝の意味と類義語について見ていきましょう。
まず折衝は「利害の異なる相手と問題を解決するために話し合うこと」の意味として用いられています。
折衝を用いた例文としては、「折衝役には彼が適任だ」や、
「私が相手側と折衝しよう」のような使い方で用いられています。
また折衝の類義語としては、「交渉（こうしょう）・談判（だんぱん）・協議（きょうぎ）・応酬（おうしゅう）」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても折衝と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「折衝の読み方と意味、”せっしょう”と”せっこう”正しいのは？」でした。
３．まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 折衝の正しい読み方は「せっしょう」で、「せっこう」は間違い。
- 折衝は「利害の異なる相手と問題を解決するために話し合うこと」の意味。
- 折衝の類義語には、「交渉・談判・協議・応酬」などがある。