さて日常的に使われるもので「下火」という言葉があります。
この下火に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
下火がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは下火の読み方と意味、「したび」と「かび」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.下火の正しい読み方は「したび」「かび」?
では下火の正しい読み方は、「したび」「かび」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、下火の正しい読み方は「したび」になります。
下火の”下”は「した」「か」、”火”は「ひ」「か」と読むことができますが、下火は「したび」と読むのが正しく、「かび」と読むのは間違いです。
また”火”の読み方は「ひ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「び」という読み方をすることはできません。
下火のように「したひ」ではなく、「したび」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
下火であれば、下(した)+火(ひ)なので、火(後ろの語)の語頭である清音の”ひ”が濁音の”び”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で下火の意味と類義語について解説していきます。
2.下火の意味と類義語について
では下火の意味と類義語について見ていきましょう。
まず下火は「火の勢いが衰えること/物事の盛りが過ぎて勢いが衰えること/茶道の炭手前で、あらかじめ風炉(ふろ)や炉に入れておく火のこと」の意味として用いられています。
下火を用いた例文としては、「火事が下火になる」や、
「流行が下火になる」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「火の勢いが衰えること」の意味で、
後者の例文は「物事の盛りが過ぎて勢いが衰えること」の意味で使用しています。
また下火の類義語としては、「鎮火(ちんか)・下り坂(くだりざか)・息切れ(いきぎれ)・衰退(すいたい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても下火と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「下火の読み方と意味、”したび”と”かび”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 下火の正しい読み方は「したび」で、「かび」は間違い。
- 下火は「火の勢いが衰えること/物事の盛りが過ぎて勢いが衰えること/茶道の炭手前で、あらかじめ風炉や炉に入れておく火のこと」の意味。
- 下火の類義語には、「鎮火・下り坂・息切れ・衰退」などがある。