さて日常的に使われるもので「桟橋」という言葉があります。
この桟橋に使用されている漢字(特に”桟”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは桟橋の読み方と意味、「さんばし」と「せんばし」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.桟橋の正しい読み方は「さんばし」「せんばし」?
では桟橋の正しい読み方は、「さんばし」「せんばし」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、桟橋の正しい読み方は「さんばし」「さんきょう」の両方になります。
桟橋の”桟”は「さん」、”橋”は「はし」「きょう」と読むことはできますが、
”桟”は「せん」と読むことはできないので、桟橋を「せんばし」と読むのは間違いです。
一般的には桟橋は「さんばし」と読むことがほとんどです。
ただ桟橋は「さんばし」「さんきょう」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”橋”の読み方は「はし」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ばし」という読み方をすることはできません。
桟橋のように「さんはし」ではなく、「さんばし」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
桟橋であれば、桟(さん)+橋(はし)なので、橋(後ろの語)の語頭である清音の”は”が濁音の”ば”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で桟橋の意味と類義語について解説していきます。
2.桟橋の意味と類義語について
では桟橋の意味と類義語について見ていきましょう。
まず桟橋(さんばし)は「貨物の積み下ろし、船客の乗降のために水上に突き出した構造物のこと/高所に上るために組み立てた傾斜がついた足場のこと」の意味として用いられています。
桟橋を「さんばし」と読むと上記のような意味になりますが、「さんきょう」と読むと「さんばし(構造物)の別名/さんばし(足場)の別名/谷を横切って高く架けた橋」の意味となります。
このように桟橋は「さんばし」「さんきょう」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
桟橋を用いた例文としては、「船が桟橋に到着した」や、
「現場で桟橋を組み立てる」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「貨物の積み下ろし、船客の乗降のために水上に突き出した構造物」の意味で、後者の例文は「高所に上るために組み立てた傾斜がついた足場」の意味で使用しています。
また桟橋の類義語としては、「船橋(せんきょう)・鉄橋(てっきょう)・吊橋(つりばし)・石橋(いしばし)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても桟橋と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「桟橋の読み方と意味、”さんばし”と”せんばし”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 桟橋の正しい読み方は「さんばし」「さんきょう」の両方で、「せんばし」は間違い。
- 桟橋(さんばし)は「貨物の積み下ろし、船客の乗降のために水上に突き出した構造物のこと/高所に上るために組み立てた傾斜がついた足場のこと」の意味。
- 桟橋(さんきょう)は「さんばしの別名(構造物)のこと/さんばし(足場)の別名のこと/谷を横切って高く架けた橋のこと」の意味。
- 桟橋の類義語には、「船橋・鉄橋・吊橋・石橋」などがある。