さて日常的に使われるもので「登坂」という言葉があります。
この登坂に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
登坂がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは登坂の読み方と意味、「のぼりざか」と「とはん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.登坂の正しい読み方は「のぼりざか」「とはん」?
では登坂の正しい読み方は、「のぼりざか」「とはん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、登坂の正しい読み方は「のぼりざか」「とはん」「とうはん」になります。
登坂の”登”は「のぼ(る)」「のぼ(り)」「とう」「と」、”坂”は「さか」「はん」「ばん」と読むことができます。
ただ登坂を「のぼりざか」「とはん」「とうはん」のどれで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”坂”の読み方は「さか」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ざか」という読み方をすることはできません。
登坂のように「のぼりさか」ではなく、「のぼりざか」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
登坂であれば、登(のぼり)+坂(さか)なので、坂(後ろの語)の語頭である清音の”さ”が濁音の”ざ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で登坂の意味と類義語について解説していきます。
2.登坂の意味と類義語について
では登坂の意味と類義語について見ていきましょう。
まず登坂(のぼりざか)は「進むにつれてのぼっていく坂道のこと/次第に盛況に向かうこと」の意味として用いられています。
登坂を「のぼりざか」と読むと上記のような意味になりますが、
「とはん」「とうはん」と読むと「車両が坂道を登ること」の意味となります。
このように登坂は「のぼりざか」「とはん」「とうはん」のどれで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
登坂を用いた例文としては、「業績は登坂(のぼりざか)だ」や、
「トラックで登坂(とはん、とうはん)する」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「次第に盛況に向かうこと」の意味で、
後者の例文は「車両が坂道を登ること」の意味で使用しています。
また登坂の類義語としては、「勾配(こうばい)・傾斜(けいしゃ)・坂道(さかみち)・急坂(きゅうはん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても登坂と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「登坂の読み方と意味、”のぼりざか”と”とはん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 登坂の正しい読み方は「のぼりざか」「とはん」「とうはん」。
- 登坂(のぼりざか)は「進むにつれてのぼっていく坂道のこと/次第に盛況に向かうこと」の意味。
- 登坂(とはん、とうはん)は「車両が坂道を登ること」の意味。
- 登坂の類義語には、「勾配・傾斜・坂道・急坂」などがある。