さて日常的に使われることはあまりないですが、「行水」という言葉があります。
この行水に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
行水がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは行水の読み方と意味、「ぎょうずい」と「ぎょうすい」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.行水の正しい読み方は「ぎょうずい」「ぎょうすい」?
では行水の正しい読み方は、「ぎょうずい」「ぎょうすい」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、行水の正しい読み方は「ぎょうずい」になります。
行水の”水”は「みず」「すい」と読むことができますが、
行水は「ぎょうずい」と読むのが正しく、「ぎょうすい」と読むのは間違いです。
また”水”の読み方は「すい」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ずい」という読み方をすることはできません。
行水のように「ぎょうすい」ではなく、「ぎょうずい」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
行水であれば、行(ぎょう)+水(すい)なので、水(後ろの語)の語頭である清音の”す”が濁音の”ず”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で行水の意味と類義語について解説していきます。
2.行水の意味と類義語について
では行水の意味と類義語について見ていきましょう。
まず行水は「たらいなどに湯や水を入れて汗を流すこと/神事の前などに、心身の汚れを落とすために清水で体を清めること」の意味として用いられています。
行水を用いた例文としては、「行水をする」や、
「行水で心身を清める」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「たらいなどに湯や水を入れて汗を流すこと」の意味で、
後者の例文は「神事の前などに、心身の汚れを落とすために清水で体を清めること」の意味で使用しています。
また行水の類義語としては、「水浴(すいよく)・湯浴(ゆよく)・湯治(とうじ)・温浴(おんよく)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても行水と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「行水の読み方と意味、”ぎょうずい”と”ぎょうすい”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 行水の正しい読み方は「ぎょうずい」で、「ぎょうすい」は間違い。
- 行水は「たらいなどに湯や水を入れて汗を流すこと/神事の前などに、心身の汚れを落とすために清水で体を清めること」の意味。
- 行水の類義語には、「水浴・湯浴・湯治・温浴」などがある。