さて日常的に使われるもので「生酒」という言葉があります。
この生酒に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
生酒がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは生酒の読み方と意味、「なまざけ」と「せいしゅ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.生酒の正しい読み方は「なまざけ」「せいしゅ」?
では生酒の正しい読み方は、「なまざけ」「せいしゅ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、生酒の正しい読み方は「なまざけ」「きざけ」「なましゅ」になります。
生酒の”生”は「い(きる)」「なま」「き」「せい」、”酒”は「さけ」「しゅ」と読むことができますが、生酒は「なまざけ」「きざけ」と読むのが正しく、「せいしゅ」と読むのは間違いです。
ただ一般的には生酒は「なまざけ」と読むことが多いです。
また”酒”の読み方は「さけ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ざけ」という読み方をすることはできません。
生酒のように「なまさけ」「きさけ」ではなく、「なまざけ」「きざけ」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
生酒であれば、生(なま、き)+酒(さけ)なので、酒(後ろの語)の語頭である清音の”さ”が濁音の”ざ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で生酒の意味と類義語について解説していきます。
2.生酒の意味と類義語について
では生酒の意味と類義語について見ていきましょう。
まず生酒は「醪(もろみ)からしぼった後に、一度も加熱殺菌処理をしていない清酒(日本酒)のこと」の意味として用いられています。
日本酒は”醪(もろみ)”と呼ばれる発酵中の濁った液体を濾(こ)してから、2度の加熱殺菌処理(火入れ)を行うのが一般的です。
生酒(なまざけ)というのは、その”2度の加熱殺菌処理を行っていないもの”を呼びます。
基本的に生酒は加熱処理をしていないため劣化が早く、運搬時間などの事情により、地元の居酒屋などにしか置いていないことがほとんどです。
そして先ほどの醪をまったく濾していない酒のことを”どぶろく”と呼び、
少しでも濾した酒のことを”にごり酒”などと呼んでいます。
また生酒の類義語としては、「清酒(せいしゅ)・日本酒(にほんしゅ)・大吟醸(だいぎんじょう)・醇酒(じゅんしゅ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても生酒と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「生酒の読み方と意味、”なまざけ”と”せいしゅ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 生酒の正しい読み方は「なまざけ」「きざけ」「なましゅ」で、「せいしゅ」は間違い。
- 生酒は「醪から絞った後に、一度も加熱殺菌処理をしていない清酒(日本酒)のこと」の意味。
- 生酒の類義語には、「清酒・日本酒・大吟醸・醇酒」などがある。