結論から言ってしまうと、風情の正しい読み方は「ふうじょう」「ふぜい」の両方になります。
風情の”風”は「かぜ」「ふう」「ふ」、”情”は「じょう」「せい」と読むことができます。
一般的には風情は「ふぜい」と読むことがほとんどです。
ただ風情を「ふうじょう」「ふぜい」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”情”の読み方は「せい」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぜい」という読み方をすることはできません。
風情のように「ふせい」ではなく、「ふぜい」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
風情であれば、風(ふ)+情(せい)なので、情(後ろの語)の語頭である清音の”せ”が濁音の”ぜ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で風情の意味について解説していきます。
風情(ふうじょう)は「味わいのある感じ。趣(おもむき)のこと/様子。ありさま」の意味として用いられています。
風情を「ふうじょう」と読むと上記のような意味になりますが、「ふぜい」と読むと上記の他に、「能楽における所作・しぐさのこと/自ら遜(へりくだ)る意を表す語」の意味も含まれます。
このように風情は「ふうじょう」「ふぜい」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
風情を用いた例文としては、「風情のある眺め」や、
「私風情(ふぜい)には出来ません」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「味わいのある感じ、趣」の意味で、
後者の例文は「自ら遜る意を表す語」の意味で使用しています。
以上が「風情の読み方と意味、”ふうじょう”と”ふぜい”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど