さて日常的に使われるもので「兎角」という言葉があります。
この兎角に使用されている漢字(特に”兎”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは兎角の読み方と意味、「とにかく」と「とかく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.兎角の正しい読み方は「とにかく」「とかく」?
では兎角の正しい読み方は、「とにかく」「とかく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、兎角の正しい読み方は「とかく」になります。
兎角の”兎”は「うさぎ」「と」と読むことができますが、「とに」と読むことはできないので、兎角を「とにかく」と読むのは間違いです。
「とにかく」というのは、”兎に角”と書き表されるため注意が必要です。
また兎角(とかく)のように「兎(と)」が用いられている言葉には、
「玉兎(ぎょくと)・玄兎(げんと)・脱兎(だっと)・烏兎(うと)」などがあります。
兎角(とかく)のように「角(かく)」が用いられている言葉には、
「一角(いっかく)・角界(かくかい)・角材(かくざい)・角膜(かくまく)」などがあります。
次の章で兎角の意味と類義語について解説していきます。
2.兎角の意味と類義語について
では兎角の意味と類義語について見ていきましょう。
まず兎角は「現実には存在しないもののたとえ/あれこれ。いろいろ/ある傾向が強いさま。ともすれば/とにかく。何にせよ」の意味として用いられています。
兎角は”兎(うさぎ)角(つの)”と書き表されますが、兎には角が生えていないことから、「現実には存在しないもののたとえ」の意味がきています。
兎角を用いた例文としては、「彼には兎角うわさが絶えない」や、
「焦ってしまうと兎角失敗しがちだ」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「あれこれ。いろいろ」の意味で、
後者の例文は「ある傾向が強いさま。ともすれば」の意味で使用しています。
また兎角の類義語としては、「時折(ときおり)・度々(たびたび)・毎度(まいど)・折節(おりふし)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても兎角と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「兎角の読み方と意味、”とにかく”と”とかく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 兎角の正しい読み方は「とかく」で、「とにかく」は間違い。
- 兎角は「現実には存在しないもののたとえ/あれこれ。いろいろ/ある傾向が強いさま。ともすれば/とにかく。何にせよ」の意味。
- 兎角の類義語には、「時折・度々・毎度・折節」などがある。