結論から言ってしまうと、折衷の正しい読み方は「せっちゅう」になります。
折衷の”折”は「お(る)」「せつ」、”衷”は「ちゅう」と読むことはできますが、”衷”は「い」と読むことはできないので、折衷を「せつい」と読むのは間違いです。
また折衷の”折”の読み方は「せつ」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「せっ」という読み方をすることはできません。
折衷のように「せつちゅう」ではなく、「せっちゅう」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
折衷であれば、折(せつ)+衷(ちゅう)なので、衷(後ろの語)の前に付いた音である”つ”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で折衷の意味と類義語について解説していきます。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
<読み間違えやすい漢字の一覧>
<難読漢字の一覧(偏)>