さて日常的に使われることはあまりないですが、「今昔」という言葉があります。
この今昔に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
今昔がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは今昔の読み方と意味、「いまむかし」と「こんじゃく」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.今昔の正しい読み方は「いまむかし」「こんじゃく」?
では今昔の正しい読み方は、「いまむかし」「こんじゃく」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、今昔の正しい読み方は「こんじゃく」「こんせき」になります。
今昔の”今”は「いま」「こん」、”昔”は「むかし」「しゃく」「せき」と読むことができますが、今昔は「こんじゃく」「こんせき」と読むのが正しく、「いまむかし」と読むのは間違いです。
ただ一般的には今昔は「こんじゃく」と読むことが多いです。
また”昔”の読み方は「しゃく」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「じゃく」という読み方をすることはできません。
今昔のように「こんしゃく」ではなく、「こんじゃく」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
今昔であれば、今(こん)+昔(しゃく)なので、昔(後ろの語)の語頭である清音の”し”が濁音の”じ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で今昔の意味と類義語について解説していきます。
2.今昔の意味と類義語について
では今昔の意味と類義語について見ていきましょう。
まず今昔は「今と昔のこと」の意味として用いられています。
今昔を用いた例文としては、「今昔の感に堪えない」や、
「今昔変わらない技術」のような使い方で用いられています。
また今昔の類義語としては、「古今(ここん)・時代(じだい)・歴史(れきし)・新旧(しんきゅう)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても今昔と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「今昔の読み方と意味、”いまむかし”と”こんじゃく”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 今昔の正しい読み方は「こんじゃく」「こんせき」の両方で、「いまむかし」は間違い。
- 今昔は「今と昔のこと」の意味。
- 今昔の類義語には、「古今・時代・歴史・新旧」などがある。