さて日常的に使われるもので「一見」という言葉があります。
この一見に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
一見がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは一見の読み方と意味、「いちげん」と「いっけん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.一見の正しい読み方は「いちげん」「いっけん」?
では一見の正しい読み方は、「いちげん」「いっけん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、一見の正しい読み方は「いちげん」「いっけん」の両方になります。
一見の”一”は「いち」「いつ」「ひと」、”見”は「み(る)」「けん」「げん」と読むことができます。
ただ一見を「いちげん」「いっけん」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また一見の”一”の読み方は「いち」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「いっ」という読み方をすることはできません。
一見のように「いちけん」ではなく、「いっけん」と変化して読むのは、日本語の「促音化(そくおんか)」と呼ばれているものです。
促音化とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと”を言います。
一見であれば、一(いち)+見(けん)なので、見(後ろの語)の前に付いた音である”ち”が促音の”っ”に変化します。
例えば「楽器(がっき)」や「切削(せっさく)」は促音化なしで読むと、
「がくき」や「せつさく」と読むのが普通です。
もともと”楽”には「がっ」という読み方はないですし、”切”にも「せっ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では促音化によって促音(「っ」)に変化するため、
「楽(がっ)」「切(せっ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が促音化によって促音(「っ」)に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で一見の意味と類義語について解説していきます。
2.一見の意味と類義語について
では一見の意味と類義語について見ていきましょう。
まず一見(いちげん)は「料亭・料理屋などで、客として初めてその店に来ること」の意味として用いられています。
”一見(いちげん)さんお断り”という紙が貼られている店もありますが、
これはその店の常連さんなど、誰かに紹介してもらった場合などに入店できる形式のものです。
一見を「いちげん」と読むと上記のような意味になりますが、
「いっけん」と読むと「一度見ること。ちょっと見ること」の意味となります。
このように一見を「いちげん」「いっけん」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
一見を用いた例文としては、「一見(いちげん)さんお断りのお店」や、
「一見(いっけん)おとなしそうな女性」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「料亭・料理屋などで、客として初めてその店に来ること」の意味で、後者の例文は「ちょっと見ること」の意味で使用しています。
また一見(いちげん)の類義語としては、「初見(しょけん)・初回(しょかい)・初対面(しょたいめん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても一見と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「一見の読み方と意味、”いちげん”と”いっけん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 一見の正しい読み方は「いちげん」「いっけん」の両方。
- 一見(いちげん)は「料亭・料理屋などで、客として初めてその店に来ること」の意味。
- 一見(いっけん)は「一度見ること。ちょっと見ること」の意味。
- 一見(いちげん)の類義語には、「初見・初回・初対面」などがある。