結論から言ってしまうと、杏子の正しい読み方は「あんず」になります
杏子の”杏”は「あん」「きょう」、”子”は「こ」「し」「す」と読むことができますが、杏子は「あんず」と読むのが正しく、「あんこ」と読むのは間違いです。
「あんこ」というのは、”餡子(あんこ)”と書き表されるため注意が必要です。
また”子”の読み方は「す」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ず」という読み方をすることはできません。
杏子のように「あんす」ではなく、「あんず」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
杏子であれば、杏(あん)+子(す)なので、子(後ろの語)の語頭である清音の”す”が濁音の”ず”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で杏子の意味について解説していきます。
杏子は「バラ科の落葉小高木のこと。また、その果実のこと」の意味として用いられています。
※上は杏子の果実の写真
杏子の花は淡紅色・白色の花で、だいたい3月~4月頃に咲き、
杏子の果実はそのまま生で食べたり、ジャムとして利用されます。
ちなみに”apricot(アプリコット)”と言うのは、杏子のことを表していて、
アプリコットジャムは杏子ジャムのことですので覚えておきましょう。
また杏子の種子は「杏仁(きょうにん)」とも呼ばれていて、咳止めなどの効果を持つ生薬として利用されています。
杏仁と言えば「杏仁豆腐(あんにんどうふ)」が有名ですが、
本格的な杏仁豆腐には杏子の種の中にある”白い実”が使われています。
杏子の種子の中にある白い実を粉状にして、水と合わせて丁寧に濾(こ)し、
その液体に牛乳や砂糖、ゼラチンなどを加えて冷やしたものが杏仁豆腐になります。
一般的に売られている杏仁豆腐の場合は、白い実(粉状)がアーモンドパウダーで代用されていることが多いです。
以上が「杏子の読み方と意味、”あんこ”と”あんず”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど