さて日常的に使われるもので「春雨」という言葉があります。
この春雨に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
春雨がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは春雨の読み方と意味、「はるさめ」と「はるあめ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.春雨の正しい読み方は「はるさめ」「はるあめ」?
では春雨の正しい読み方は、「はるさめ」「はるあめ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、春雨の正しい読み方は「はるさめ」「しゅんう」になります。
春雨の”春”は「はる」「しゅん」、”雨”は「あめ」「う」と読むことができますが、春雨を「はるあめ」と読むのは間違いです。
一般的には春雨は「はるさめ」と読むことがほとんどです。
ただ春雨を「はるさめ」「しゅんう」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また春雨の”雨”の読み方は「あめ」と読むことはできますが、それ単体では「さめ」と読むことはできません。
春雨のように「はるあめ」ではなく、「はるさめ」と変化して読むのは、日本語の「音韻添加(おんいんてんか)」と呼ばれているものです。
音韻添加とは、”語を合成したときに、発音しやすくするため、元々の音に新しい音が加えられる現象のこと”を言います。
春雨(=合成した後の語)であれば、合成する前は春(はる)[haru]+雨(あめ)[ame]で、そのまま合成すると春雨(はるあめ)[haruame]となりますが、音韻添加により”s”が追加され、春雨(はるさめ)[harusame]と変化します。
・春(はる)[haru] + 雨(あめ)[ame] → 春雨(はるさめ)[harusame]
例えば「小雨(こさめ)」や「霧雨(きりさめ)」は音韻添加なしで読むと、
「こあめ」や「きりあめ」と読むのが普通です。
・小(こ)[ko] + 雨(あめ)[ame] → 小雨(こさめ)[kosame]
・霧(きり)[kiri] + 雨(あめ)[ame] → 霧雨(きりさめ)[kirisame]
もともと”雨”という字には「さめ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では音韻添加によって元々の音に新しい音が加えられるため、
「小雨(こさめ)」「霧雨(きりさめ)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が音韻添加によって、元々の音に新しい音が加えられるわけではないので、注意してください。
次の章で春雨の意味と類義語について解説していきます。
2.春雨の意味と類義語について
では春雨の意味と類義語について見ていきましょう。
まず春雨(はるさめ)は「春に静かにしとしと降る雨のこと/緑豆などのデンプンから作った透明な糸状の食品のこと」の意味として用いられています。
春雨を「はるさめ」と読むと上記のような意味になりますが、
「しゅんう」と読むと「春に静かにしとしと降る雨のこと」の意味のみとなります。
このように春雨を「はるさめ」「しゅんう」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
春雨を用いた例文としては、「春雨が降る」や、
「今日は春雨(はるさめ)を使った料理を作ります」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「春に静かにしとしと降る雨」の意味で、
後者の例文は「緑豆などのデンプンから作った透明な糸状の食品」の意味で使用しています。
また春雨(はるさめ)の類義語としては、「寒天(かんてん)・心太(ところてん)・蒟蒻(こんにゃく)・ゼラチン」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても春雨と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「春雨の読み方と意味、”はるさめ”と”はるあめ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 春雨の正しい読み方は「はるさめ」「しゅんう」の両方で、「はるあめ」は間違い。
- 春雨(はるさめ)は「春に静かにしとしと降る雨のこと/緑豆などのデンプンから作った透明な糸状の食品のこと」の意味。
- 春雨(しゅんう)は「春に静かにしとしと降る雨のこと」の意味。
- 春雨(はるさめ)の類義語には、「寒天・心太・蒟蒻・ゼラチン」などがある。