このページでは水無月とは何月のことを指しているのか?。また水無月の意味・由来・読み方・別名について簡単に解説しています。

 

 

 

1.水無月とは何月のことを指しているのか?

 

水無月とは旧暦における月(1月、2月、3月・・・)の名称のことで、
新暦(いま現在の暦)でいうところの”6月”のことを指しています

 

いまだと1年間が365日(うるう年だと366日)というのは一般的ですが、
それはいま現在使用されているのが新暦だからです。
(いま現在使用されている暦は、太陽暦のひとつであるグレゴリオ暦です)

 

日本における旧暦では天保暦(太陰太陽暦のひとつ)が使用されていましたが、
旧暦(天保暦)に従った場合は1年間が354日ということになります。

 

 

そしてこの旧暦が使用されていたときの月の名称が”水無月”であり、
暦が新暦に改暦された現在では水無月という名称から”6月”に変更されました

 

 

ですが水無月(旧暦の月)と6月(新暦の月)では季節にずれが発生していて、
”だいたい1ヶ月~2ヶ月ほど”のずれがあるので注意が必要です。

 

なので水無月の時期は旧暦と新暦における季節のずれを考慮すると、
新暦(現在の暦)でいうところの”6月下旬~8月上旬”のことを表していることになります。

 

2.水無月の意味・由来・読み方について

 

まず水無月は旧暦における6月のことで、読み方は”水無月(みなづき)”になります

 

そして水無月の意味・由来としては諸説ありますが、
”無”は”の”を意味し、田んぼに再び水を引く月という意味の”水の月”からきている説が有力です。

 

 

水無月には”無”という漢字があるので”水が無い月”と覚えている人も多いのですが、
実は水無月の”無”は”ない(存在しない)”ということを表しているのではありません。

 

これは古い日本語の使い方で、”な”は現在の意味における”の”を意味していることから、
水無月は”水の月”を意味していることになるんですね。

 

ではなぜ旧暦における6月(現在の6月下旬~8月上旬)が”水の月”になるのかと言うと、
それは水が抜かれた田んぼに再び水を引くための作業が行われるからです。

 


※中干し作業後の田んぼの写真

 

旧暦の前の月である皐月には田んぼに早苗を植えていますが、
そのあと水無月になると一旦”中干し”と呼ばれる田んぼの水を抜く作業があります。
(田んぼの中干しが行われるのは、現在の暦でいうところの7月下旬あたりです)

 

そして中干し作業が終わると再び田んぼに水が引かれるので、
旧暦における6月は”水の月”を意味する水無月になったということです。

 

3.水無月の別名とは何か?

旧暦の月名である水無月(みなづき)ですが、実は水無月という名称以外にも別名がたくさんあります。

 

いまだと6月のことは6月としか言わず別名はありませんが、
昔は月名に生活や季節に関連する呼び方をしていました。

 

そしてその月を表す名称もひとつやふたつではありません。

 

では水無月の別名には一体どういう名称のものがあるのかを見ていきましょう。

 

晩夏(ばんか)

水無月が別名で晩夏(ばんか)と呼ばれるのは、夏の終わりの方という理由からです。

 

晩夏の”晩”には”終わりの方”という意味があるため、
晩夏というのは夏の終わりの方であることを意味しています。

 

現在の季節では6月と言えば夏が始まったばかりなのですが、
旧暦の季節では夏というのは4月・5月・6月なので終わりの方にあたります。

 

ですので晩夏は夏(4月・5月・6月)の終わりの方を意味しているので、
旧暦の6月である水無月の別名として晩夏(ばんか)と呼ばれています。

 

水張月(みずはりづき)

水無月が別名で水張月(みずはりづき)と呼ばれるのは、という理由からです。

 

これは水無月の由来のところでも解説したように、
旧暦における6月(水無月)は田んぼに水を引く月でした。

 

そして田んぼに水を張る(引く)という意味として、
水無月のことを”水張月(みずはりづき)”と呼んでいたそうです。

 

呼び方が違うだけで、基本的には水無月のときの解釈と同じになります。

 

常夏月(とこなつづき)


※常夏の花(ナデシコ)の写真

 

水無月が別名で常夏月(とこなつづき)と呼ばれるのは、常夏の花が咲く月という理由からです。

 

常夏の花であるナデシコの開花時期は6月~9月になるので、
旧暦における6月である水無月の時期(6月下旬~8月上旬)とだいたい合っています。

 

 

常夏(とこなつ)という言葉は”ずっと夏のような気候”ということを意味していますが、
ナデシコは品種にもよりますが夏~秋にかけて比較的長い時期にわたり咲いています。

 

またナデシコの品種には四季咲きの品種もあるので季節を問わず、
何度でも開花する様子から常に夏を感じられるということで”常夏の花”と呼ばれています。

 

他の水無月の別名(箇条書き)

”晩夏(ばんか)”、”水張月(みずはりづき)”、”常夏月(とこなつづき)”以外にも、
水無月の別名として呼ばれている名称について下に箇条書きにしてみました。

<水無月の別名の一覧>

  • 季夏(きか)
  • 青水無月(あおみなづき)
  • 風待月(かぜまちづき)
  • 涼暮月(すずくれづき)
  • 蝉の羽月(せみのはづき)
  • 鳴雷月(なるかみづき)
  • 鳴神月(なるかみづき)
  • 炎陽(えんよう)
  • 松風月(まつかぜづき)
  • 極暑(きょくしょ)
  • 庚伏(こうふく)
  • 鶉火(じゅんか)
  • 水月(すいげつ)
  • 陽氷(ようひょう) などなど

※上記以外にも水無月の別名は数多く存在しています。

 

以上が「水無月とは何月のこと?意味と由来、読み方とは?水無月の別名は?」でした。

 

 

4.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 水無月(みなづき)とは、旧暦における6月のこと。
  • 水無月と新暦の6月には季節にずれがあり、水無月は現在の6月下旬~8月上旬のことになる。
  • 水無月の由来は、田んぼに再び水を引く月という意味の”水の月”からきている。

 

 

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