さてドライアイスをペットボトルなどの容器に入れてから密閉して、
少し時間が経つとその容器が爆発するというのをご存知でしょうか。
中にはドライアイスで爆発させる遊びをしている話を聞きますがとても危険な行為で、
実際に爆発した容器の欠片が飛んできて大ケガをした人もたくさんいます。
そして遊びではなくただの興味本位で試してしまう人も多いです。
そこでこのページでは、ドライアイスを密閉した容器に入れると爆発する仕組みを解説します。
どうぞご覧ください。
1.ドライアイスを密閉した容器に入れると爆発する仕組みとは?
ではドライアイスを密閉した容器に入れると爆発する仕組みを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと密閉した容器にドライアイスを入れることで爆発するのは、
ドライアイスが気体の二酸化炭素に変化することで容器内の圧力が大きくなるからです。
まずドライアイスというのは簡単に言えば、二酸化炭素が固体になったものです。
ドライアイスは-79℃以下の低温の物体で、
-79℃よりも温度が高くなると固体から気体の二酸化炭素に変化していきます。
(固体から液体にならずに気体に変化することを昇華と言います)
ですので特殊な設備がない限り、ドライアイスは固体から気体に変化していきます。
さらにドライアイスが固体から気体の二酸化炭素に変化することで、
二酸化炭素の体積は固体の状態よりも約800倍にも膨れ上がります。
以上を踏まえて、ドライアイスが爆発する仕組みを簡単に図にすると下のようになります。
上図のように密閉された容器内にドライアイスを入れることで容器内の空気に暖められ、
次第に気化して体積が膨張した二酸化炭素が増えるのでパンパンになっていきます。
そしてドライアイスから気化して体積が膨張した二酸化炭素により、
容器内部の圧力が大きくなるので最後には容器が耐えられなくなり爆発が起こるんですね。
ドライアイスによるこのような爆発は、”密閉された容器でのみ”発生する可能性があります。
密閉されていない容器であれば気体になった二酸化炭素も、
容器の外へと逃げていくため容器内で圧力がたまって爆発することはなくなります。
ペットボトルだけでなくビンやごみ袋などでも、
密閉されていれば十分に爆発する危険性があるので注意が必要です。
(爆発の衝撃によって飛び散った欠片で大ケガを伴います)
また容器内に水を入れた状態でドライアイスを入れると、
水は空気よりも熱を伝達しやすいのでドライアイスがより早く気化してしまいます。
つまり何も入っていない状態の容器にドライアイスを入れたときよりも、
水などの飲料が入っている方が爆発する時間が早くなります(密閉していればの話です)。
暑い時期になると飲み物を冷やすためにドライアイスを入れたり、
炭酸水を作れるかどうかを調べるためにドライアイスを入れる人が多いです。
実際に事故も発生しているので、密閉した状態では真似しないでください。
(密閉されていない状態でも、ドライアイス自体が不衛生な場合もあるのであまりお勧めはしません)
以上が「ドライアイスを密閉した容器に入れると爆発する仕組みとは?」でした。
2.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 密閉した容器内でドライアイスを入れると爆発するのは、ドライアイスが気体の二酸化炭素に変化することで容器内の圧力が大きくなるから。
- 水(飲み物)にドライアイスを入れると気化しやすくなるので、早く爆発する。
- 爆発の衝撃によって、容器の欠片が飛び散って危険なので真似しないこと。