さてニュースなどで「円高円安」という言葉を聞くかと思います。
株式投資やFXなどをしている方ならば、
ある程度なじみの深い言葉なのではないでしょうか。
円高円安は経済の勉強をしているとよく出てくる言葉で、
あまり経済に興味がなかった人は知らない人も多いでしょう。
そこでページでは円高円安とはなんなのか?
また円高円安と輸出・輸入はどんな関係があるのかを簡単に解説します。
どうぞご覧ください。
では円高円安とはなんなのかについて見ていきましょう。
さっそくですが円高円安とは、円の価値が高くなったのか安くなったのかを表している言葉になります。
円とは日本で主に使用されている基本通貨のことですよね。
買い物をするにもサービスを利用するにもこの円を使用します。
基本的に円高円安はひとつの言葉として使用されるのではなく、
「円高(えんだか」、「円安(えんやす)」と分けられて使われることが多いです。
円高は、円の価値が高くなること。
円安は、円の価値が安くなること。
後の方で例を出して説明しますが簡単に言うと、
円の価値が高くなれば、その分だけ買い物をするときに商品を安く買うことができるということです。
逆に円の価値が安くなれば、その分だけ商品を高く買わなければならないということです。
では次はどのようにして円の価値が高くなったのか、低くなったのかを判断しているのか見ていきましょう。
では円の価値が高くなったか、低くなったかはどのように判断しているのか見ていきましょう。
円の価値を判断しているのは結論から言ってしまうと、
他の通貨と比較することで円の価値が高くなったのか低くなったのかを判断しています。
日本では円が通貨として使われていますが、外国では様々な通貨が使用されています。
それはドルであったり、ユーロであったりと多くの種類の通貨があります。
これらの通貨を日本の通貨である円と比較することで、
私たちは「円の価値が高くなった」、「円の価値が安くなった」と判断しています。
「需要(じゅよう)」と「供給(きょうきゅう)」という言葉を聞いたことがありませんか?
簡単に言えば”需要とは商品を欲しいと思っている人の数”で、
”供給とは商品の数のこと”だと思ってください。
基本的に物の価値というのはこの需要と供給で成り立っています。
円の価値についても同様で、他の通貨との需要と供給で成り立っていると言えます。
つまり商品を欲しいと思う人がたくさんいればいるほど、
少し高くてもその商品を欲しいと思うので値段がどんどん需要に応じて高くなるわけです。
人気な商品ほど値段が高騰しやすい傾向にあります。
そして円を欲しいと思う人がいればいるほどドルから円に替える人が多くなり、
少し高くなっても円を買いたいと思うようになるのでどんどん円の価値が高くなります。
これが円高になる仕組みです。
円安はこの逆で円の人気がなくなっているという風に捉えることができますね。
次は具体的に円高と円安の場合の例を出して説明していきますね。
では円高と円安の場合の簡単な例について見てきましょう。
<円高の場合の例(円の価値が高くなる)>
まずドルと円を比較する場合は「ドル/円」などと表記されます。
「1ドル=100円」.....1ドルが100円と同じ価値ということですね。
1ドル欲しければ100円を支払えば交換できるということになります。
ではこれが「1ドル=80円」になるとどうでしょう?
1ドルを80円で買うことができるということになります。
これは「1ドル=100円」のときと比較すると、
「1ドル=80円」のときのほうが円高になっていると言えます。
分かりやすくイメージするならば、1ドルという商品に対して80円で買えることができるようになったということです。
つまりより少ない円で商品を買うことができるようになったということ。
言い換えれば円の価値が高くなったから相対的に1ドルの価値も低くなったと言えます。
このようにどちらかの価値が高くなれば、もう片方の価値は低くなります。
なんとなく円高のイメージはついたでしょうか?
では次に円安の場合の例も簡単に見ていきましょう。
<円安の場合の例(円の価値が低くなる)>
ここでも「ドル/円」の場合を見ていきましょう。
「1ドル=100円」の状態から、「1ドル=120円」になりました。
1ドルを100円で交換できる状態から、
1ドルを120円でしか交換できなくなったということです。
つまり1ドルという商品に対して円の価値が低くなったことによって、
より多くの円を支払わなければ商品を買うことができなくなったというわけです。
円の価値が低くなったことによって相対的にドルの価値が高くなります。
またスーパーなどで商品を買うときにも同じような考え方ができます。
売られている物の価格が全体的に高くなったということは、
それだけ円の価値についても低くなっている可能性が高いということです。
しかし、全てがこのような考え方で当てはめることは出来ません。
それはなぜかというと、野菜を例に出すとすれば豊作と不作の時期があるからです。
豊作のときは野菜の収穫量が多いので値段は安くなりますが、
不作のときはあまり収穫量がないため値段が高くなりがちです。
野菜というのは常にある程度買いたいという人が多い(需要が多い)ため、
収穫量が少なくなればなるほど野菜自体が足りなくなって値段が高騰します。
このことからも一概には言えないということだけは覚えておきましょう。
次の章では円高と円安が輸出・輸入にどんな影響を及ぼすのか説明していきますね。
では円高と円安のときは輸出と輸入でどんな影響があるのか見ていきましょう。
円高のときは、輸入に有利になって輸出には不利になります。
逆に円安のときは、輸出に有利になって輸入には不利になります。
有利になる不利になると出てきましたがここでの有利・不利とは、
輸出・輸入をすることで金銭的に多くの利益を出すことができるのかそうでないかということです。
では円高と円安がどのように輸出・輸入に影響するのか簡単に説明していきますね。
<円高と円安のときの輸出への影響について>
1ドル=80円(円高)のときと1ドル=120円(円安)のときの輸出への影響について見ていきましょう。
外国に車を輸出する際には、その車の代金としてお金を受け取ります。
①車を「1ドル=80円」の円高で輸出する場合
車の価格を100ドルとした場合、車を輸出したときには円で外国から車の代金が支払われます。
取引時は円高で「1ドル=80円」です。
なので、こちらに車の代金として支払われるのは8000円になります。
②車を「1ドル=120円」の円安で輸出する場合
車の価格を100ドルとした場合、
車を輸出したときには円で外国から車の代金が支払われます。
取引時は円安で「1ドル=120円」です。
なので、こちらに車の代金として支払われるのは12000円になります。
さて車の価格が安すぎるというのは置いといてどうでしょうか。
こちらに外国から支払われる代金が円安のときの方が多いですよね。
つまり円安のときの方が利益が大きいということです。
円安は輸出に有利、円高は輸出に不利になりますね。
<円高と円安のときの輸入への影響について>
1ドル=80円(円高)のときと1ドル=120円(円安)のときの輸入への影響について見ていきましょう。
外国から車を輸入する際には、その車の代金としてお金を支払います。
①車を「1ドル=80円」の円高で輸入する場合
車の価格を100ドルとした場合、車を輸入したときはドルで外国に車の代金を支払います。
取引時は「1ドル=80円」の円高です。
外国への支払いのために円をドルに換えます。
こちらは外国へ100ドル(=8000円)を支払います。
②車を「1ドル=120円」の円安で輸入する場合
車の価格を100ドルとした場合、車を輸入したときはドルで外国に車の代金を支払います。
取引時は「1ドル=120円」の円安です。
外国への支払いのために円をドルに換えます。
こちらは外国へ100ドル(=12000円)を支払います。
どうでしょうか。
円高のほうがこちらが外国に対して支払う代金が少ないですよね。
つまり輸入の場合では円高のほうが利益が大きいということになります。
円高は輸入に有利、円安は輸入に不利ということになりますね。
実際には、こちらが日本だからと言って必ずしも日本円で取引するわけではありません。
そこは輸出側と輸入側の決済の取り決めによって違います。
分かりやすいように円で解説しているだけですので、そこだけはご注意を。
以上が「円高円安とは?輸出と輸入についてはどんな影響があるの?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、