さてニュースなどで関税(かんぜい)という言葉を聞くことがあります。

 

関税とはその名の通り税金の種類のひとつです。

 

関税は私たちの生活にとても深くかかわっていますが、
なんとなくでしか理解していない人も多いように感じます。

 

そこでこのページではそもそも関税とは何なのか?
また関税の仕組みと輸入品に関税をかける理由について解説します。

 

どうぞご覧ください。

 

 

 

1.そもそも関税って何のことなの?

 

では関税(かんぜい)とはそもそもどんな税金のことなのか見ていきましょう。

 

さっそくですが関税とは、外国の物を自国に輸入する際に、その輸入品に対して課せられる税金のことです。

 

簡単に言ってしまうと、外国の物を自分の国に輸入するときにかかる手数料のようなものだと理解してください

 

輸入品をその国に持ち込む人(輸入者)が関税を支払うことが多いです。

 

しかし輸入側と輸出側の取り決めによってどちらが関税を支払うかについては、
違いますのでそこだけは誤解のないようにお願いします。

 

 

また一口に輸入品といっても様々な物があります。
例えば食料品、衣類、車なかには生き物などもあります。

 

そしてその輸入品の種類によってどのくらいの税率がかかるのかが違ってきます。

 

つまり関税を多く支払わなければならない物もあれば、少なくて済む物もあるということです。

 

 

では次に関税の仕組みと簡単な流れについて説明していきますね。

 

2.関税の仕組みについて

では関税の仕組みとはどういうものなのか見ていきましょう。

 

関税の仕組みについて分かりやすいように順を追って説明していきますね。

関税の仕組みとその流れについて

 

例:Aさんがリンゴ1個を外国から日本に輸入する場合

 

①Aさんは外国の農家からリンゴ1個を50円で買います。

 

②Aさんが日本へそのリンゴを輸入する際に、日本の税関でリンゴ1個に対して40円の関税がかかるので支払います。
⇒このときAさんはリンゴ1個の仕入れに90円かかっています

 

③Aさんは90円で仕入れたリンゴ1個をスーパーで100円で買い取ってもらいます。
⇒買い取ってもらうとAさんは10円の儲けになります

 

④そしてスーパーではAさんから100円で買い取ったリンゴ1個を110円で店頭に並べて販売します。
⇒お客がそのリンゴを買ったらスーパーは10円の儲けになります。

 

上記が関税のだいたいの仕組みと流れになります。

 

なんとなくでも関税がどういう仕組みなのか理解していただけたでしょうか?

 

ちなみに日本に輸入される場合は日本の税関で関税を支払うことになりますが、
他の国に輸入するのであればその国の税関に関税を支払うことになります。

 

そして関税として収められた税金は、
その国の制度や公共サービス、公務員などの給料などに使われます

 

 

次の章ではなぜ輸入品に関税をかけるのかその理由について説明していきますね。

 

3.輸入品に関税をかける理由とは?

では輸入品に対して関税をかける理由は何なのか見ていきましょう。

 

輸入品に関税をかける理由は2つあります。

  • ①その国の財政収入として充てるため
  • ②その国の国内産業を保護するため

以上の2つの理由が輸入品に対して関税をかける理由ですが、
日本の場合は主に②の国内産業を保護するために関税をかけています

 

①の財政収入に充てるというのはすぐに理解することができると思いますが、
つまりその国で自由に使えるお金を増やすということです。

 

ですが、②の国内産業を保護するためとはどういうことなのか、
分かりにくいかと思いますので簡単な例とともに説明していきますね。

 

関税の理由:国内産業を保護するためとは?

 

例:輸入品のトマトの場合

 

外国から輸入してきた野菜.....つまり外国産の野菜がスーパーに売られてます。

 

外国産のトマトが1個100円で売られています。

 

このトマトの100円という価格はすでに関税がかけられた後の価格ですね。

 

あなただったら110円のトマト(国内産)100円のトマト(外国産)だったらどちらを買いますか?

 

国内産を気にしている方なら少し高くても、国内産のトマトを選ぶのではないでしょうか。

 

 

ですがここで関税がない場合のときのことも考えてみましょう。
もし関税がなければ、外国産のトマトの価格が40円まで落ちるとします。

 

つまり関税によってトマトの価格は60円加算されていたというわけですね。

 

関税がない場合のトマトの価格を比べてみましょう。

 

110円のトマト(国内産)40円のトマト(外国産)です。

 

さてあなたはどちらを選びますか?
国内産を気にしている方でも40円のトマトを買う方もきっと増えますよね?

 

そうなることで国内産のトマトが売れず、外国産の安いトマトだけが売れていきます。

 

外国産のトマトだけが売れてしまうと、
国内でトマトを作っている農家の人たちの収入がなくなってしまいます。

 

収入がないとその農家の人たちはトマト作りを続けることができなくなります。
最終的に国内でトマトを作る農家がいなくなってしまう可能性も高くなるわけです。

 

ということは国内でトマトが生産されなくなるので、
国内で食べるトマトのほとんどを外国からの輸入で補っていかなければなりません。

 

ですがこれはとても危険なことで輸入ができているうちは問題ありませんが、
もし何かしらの理由で輸入ができなくなると大変です。

 

食べるものがなくなってしまうので食糧難になってしまいます

 

今回の例ではトマトだけですが、これが食品だけでなくあらゆる物に対して発生したらどうなるでしょうか?

 

少し考えただけでもゾッとしますね。

 

輸入に頼りきってしまうと輸入先の相手国から足元を見られて、
こちらにとても不利な条件にもなりかねませんよね

 

また国内産業とは上記で説明した野菜のような食品に限定したものではありません。

 

食品以外にも車や衣類など国内で生産しているのであれば国内産業になります。

 

このように関税を輸入品にかけることは、
国内産業を保護するためにもとても重要だと分かっていただけたかと思います。

 

 

以上が「関税とは?輸入品にかける関税の仕組みとその理由とは?」でした。

 

 

4.まとめ

これまで説明したことをまとめますと、

  • 関税とは、外国の物を自国に輸入する際にその輸入品に対して課せられる税金のこと。
  • 輸入品の種類によって関税が高くなるものもあれば少なく済むものもある。
  • 関税は輸入する側の税関で徴収され、その国の収入となる。
  • 関税の目的は、”財政収入に充てるため”と”国内産業の保護のため”である。
  • 関税がなくなれば国内産業が成り立たなくなり、輸入だけに頼ってしまう可能性が高くなる。

 

 

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