さて何かとニュースの話題でもよく取り上げられる放射線と放射能。
放射線と放射能はほとんど同じような意味で使用されているように感じます。
ですが放射線と放射能の意味は全然違います。
そしてこれらの単位としてベクレルやシーベルトがありますが、
これらは一体何を示しているのでしょうか？
そこでこのページでは放射線と放射能の違いとその単位について、
また放射性物質とはどのような物質なのか簡単にまとめました。
どうぞご覧ください。
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１．放射線とは？
では放射線とその単位について見ていきましょう。
まず放射線とは、
高いエネルギーを持つ粒子や電磁波の総称のことです。
粒子や電磁波といった小難しい言葉が出てきましたね。
これらを簡単にイメージしてもらうのであれば、
粒子は、あらゆる物質を構成しているめちゃくちゃ小さい粒のことです。
どんな物質もこの小さな粒、つまり粒子が集まることで構成されています。
当然ですが肉眼で見ることはできません。
また電磁波とは、私たちが普段から見ている光のようなものだとイメージしてください。
電磁波には肉眼で見えるもの（可視光線）もあれば見えないものもあります。
日光（太陽の光）やラジオ・テレビの電波などについても電磁波と言えます。
日光の中の紫外線も電磁波の一種です。
そしてそのたくさん存在する電磁波の種類の中で、
より強いエネルギーを持った電磁波や粒子のことを放射線と呼んでいるんですね。
つまり電磁波だからと言ってそれが必ずしも放射線であるとは限らないということです。
では放射線にはどんな単位が使用されているのか見ていきましょう。
放射線の単位には２つあります。
ひとつは”Sｖ（シーベルト）”と言われる単位で聞いたことがあるかと思います。
そしてもうひとつが”Gｙ（グレイ）”といわれる単位になります。
それぞれの単位について説明していきますね。
＜Sv（シーベルト）について＞
Sv（シーベルト）とは、放射線が人体に及ぼす影響の度合いを示した単位のことです。
放射線とひと口に言っても持っているエネルギーの強さはピンキリです。
ということは人体に及ぼす影響も放射線の種類で異なるということです。
また一年間にどのくらいの線量までなら安全なのかという線量限度が法律で定められており、
一般の人は１年間に１mSv（ミリシーベルト）以下と定められています。
１Sv（シーベルト）＝１０００mSv（ミリシーベルト）
となりますので１シーベルトの１０００分の１以下なら許容範囲内ということになりますね。
放射線を扱う職業の人については、
１年間で５０mSv（ミリシーベルト）以下及び５年間で１００mSv（ミリシーベルト）以下と定められています。
＜Gy（グレイ）について＞
Gy（グレイ）とは、単位質量あたりに放射線から受けるエネルギー量のことを示しています。
放射線はものに当たると持っていたエネルギーを、
放射線に当たったものに与えるという働きがあります。
グレイは単位を変換することができ、変換した方がどんなのか理解しやすいです。
Gy（グレイ）＝J（ジュール）/ｋｇ（キログラム）
となるので１Gy（グレイ）というのは、
１ｋｇあたりに１Jのエネルギーを吸収したことを表しています。
このことからグレイは吸収線量とも言われています。
次の章では放射能とその単位について説明していきますね。
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２．放射能とは？
では放射能とその単位について見ていきましょう。
さっそくですが簡単に言ってしまうと放射能とは、
放射線を出す能力のことを言います。
放射線を出す能力のことだから放射能と言われるんですね。
では放射能の単位について見ていきましょう。
放射能を表す単位にはBq（ベクレル）が使用されています。
つまりこの放射能の単位であるベクレルは、
その物質がどのくらい放射線を出すのかを表している単位と言えますね。
ベクレルは放射性物質から１秒間に放射線が何回出るのかを表しています。
例えば１００ベクレルという放射能を持った放射性物質があったとすると、
その放射性物質は１秒間に１００回放射線を出すということを示しています。
また同じ１００ベクレルの放射能を持った放射性物質でも、
人体への影響は放射性物質の種類によって異なります。
それは一口に放射性物質と言っても、
エネルギーの強い放射線を出すものから比較的弱いものまでピンキリだからです。
もうすでにお分かりかと思いますが、
次の章では放射線と放射能の違いについて簡単に説明していきますね。
３．放射線と放射能の違いについて
では放射線と放射能の違いについて見ていきましょう。
結論から言わせていただくと放射線と放射能の違いとは、
放射性物質から放出される粒子や電磁波のことなのか、放射線を出す能力のことなのかということです。
放射線は、放射線性物質から出される粒子や電磁波のこと。
放射能は、放射線を出す能力のことですよね。
また放射線と放射能の単位の違いとして、
放射線がSv（シーベルト）とGy（グレイ）、放射能がBq（ベクレル）という単位が使用されています。
そして放射線と放射能の違いの説明でよく使用される例なのですが、
電球などの光を発生させるものでそれぞれを例えていきます。
電球が光を発生させています。
ここでそれぞれに例えると、
電球から発生している光を放射線、
電球が持っている光を発生させる能力が放射能です。
このようにイメージしてみると放射線と放射能の関係を簡単に理解することができると思います。
放射線と放射能の説明を踏まえて、
次の章では放射性物質とはどんな物質なのか説明していきますね。
４．放射性物質とは？
では前の章の説明も踏まえて放射性物質とはどんな物質なのか見ていきましょう。
さっそくですが放射性物質とは、
放射線を出す物質のことを言います。
また放射性物質を別の言い方をするのであれば、
放射能を持つ物質のこととも言えますね。
つまり簡単にまとめると下記の通りです。
放射性物質＝放射能を持つ物質＝放射線を出す物質
放射性物質には様々な種類があって、
いくつか挙げるとするならウラン、セシウム、プルトニウムあたりでしょうか。
これらの放射性物質はニュースなどで取り上げられることも多いので、
名前ぐらいは聞いたことがあるかと思います。
またご存知かもしれませんが放射性物質と言っても、
放射線に汚染されたガレキなどのことは放射線物質とは言いません。
あくまで放射線を浴びてしまったことによって、
そのガレキ等が放射性物質を含んでしまっただけです。
ですのでただ単に放射性物質を含んだガレキです。
放射性物質であろうが放射性物質を含んだものであろうが、
放射線を放出するということには変わりないので注意が必要です。
５．まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
・放射線とは、高いエネルギーを持つ粒子や電磁波の総称のこと。
・放射線の単位には、Sv（シーベルト）とGy（グレイ）が使用されている。
・放射能とは、放射線を出す能力のこと。
・放射能の単位には、Bq（ベクレル）が使用されている。
・放射性物質とは、放射能を持つ物質のこと（あるいは同じだが放射線を出す物質のこと）。
最後までご覧になっていただきありがとうございます。
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