さてあなたは浮力という言葉をご存知でしょうか。水の上に浮くことができるのはその物体に浮力が働いているからですが、実際に浮力がどのような力なのかをしっかりと理解している人は少ないように感じます。そこでこのページでは浮力とは何か?また浮力の原理を簡単に図を用いて解説していきます。どうぞご覧ください。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});目次浮力とは何か?浮力の原理について詳しく解説!流体中ではあらゆる方向から圧力がかかる流体中でかかる圧力のイメージ浮力は流体によって発生する下方向からの圧力のこと重い(密度が大きい)流体ほど浮力は大きくなるまとめ1.浮力とは何か?では浮力とは何かを簡単に見ていきましょう。結論から言ってしまうと浮力(ふりょく)とは、流体中において物体に対して、流体から上向きに働く力のことを言います。流体というのは水や空気のことを言い、水の上に物体が浮くのはその物体に水からの浮力が働いているからで、空気中に物体が浮くのはその物体に空気からの浮力が働いているからになります。浮力はどういうものかをイメージするのが難しいと感じている人は、重いボールの上に軽いボールが乗ったときに、重いボールが反発する力だと思ってみてください。つまり浮力(上向きの力)が働くというのは、上図のようなイメージです。関連:流体とは何かをわかりやすく解説!圧力はどんなかかり方なのか?例えば水に沈むモノと浮くモノが存在すると思いますが、これは水よりもそのモノが重いのか軽いのかということが大きく関係しています。水よりも密度が大きい(重い)モノは水に沈むことになり、水よりも密度が小さい(軽い)モノは水の上に浮くことになります。重いということはそれだけ地球の中心に引っ張られやすいということなので、水よりも重いモノであれば水を押しのけてしまうため水に沈むことになります。ここで先ほど解説した重いボールと軽いボールのことを思い出してみてください。水の上にモノが浮くということは”水が重いボール”で、”浮くモノが軽いボール”だと置き換えることができます。上図のように水の上にモノが浮くということは、水からの浮力(反発する力)の方がモノにかかる重力よりも大きいということです。反対に水にモノが沈むということは”沈むモノが重いボール”で、”水が軽いボール”と置き換えられます。この場合は沈むモノには水からの浮力(上向きの力)はかかってはいるのですが、水からの浮力よりもモノにかかる重力の方が大きいため他の水は押しのけられます。そして結果として水よりも密度の大きい(重い)モノは、水に浮かずに沈んでしまうんですね。関連:密度と比重の違いとは何かを簡単に解説!密度と比重の単位って何?関連:暖かい水と冷たい水で重さが変わる仕組みとは?ここでは浮力についてイメージできるよう簡単に解説しましたが、次の章では浮力の原理について詳しく解説していきます。2.浮力の原理について詳しく解説!前の章では浮力についてイメージするのが難しいと感じている人のために、浮力の詳しい原理ではなく、浮力とはどのようなものかを簡単に解説をしていきました。しかしここでは先ほどよりも浮力の原理について詳しく解説していきます。そして下の3つを理解できれば、浮力の原理について理解できるでしょう。流体中ではあらゆる方向から圧力がかかる流体中でかかる圧力のイメージ浮力は流体によって発生する下方向からの圧力のことでは浮力の原理を詳しく理解していただくために、上記について順番に解説していきますね。流体中ではあらゆる方向から圧力がかかる”流体中ではあらゆる方向から圧力がかかる”ということで、これが指している圧力とは”水であれば水圧”、”空気であれば気圧”のことを指しています。流体(水・空気など)であれば圧力のかかり方はほとんど変わらないので、ここでは水を例として流体中における圧力の解説をしていきます。まず水の中では、”水圧”という水の重さによる圧力が発生します。ここで注意して欲しいことは水圧は下方向だけにかかる力ではなく、あらゆる方向からかかっているということです。例えば風船に重りなどを付けて水に沈めていくと、水深が深くなるほど風船にかかる水圧が大きくなるため、風船が小さくなっていきます。このとき上図のように風船は一定方向につぶされていくのではなく、あらゆる方向から水圧がかかることによって、全体的に小さくなっていきます。関連:水圧とは何か?わかりやすく図を用いて解説!流体中でかかる圧力のイメージ次に流体中でかかる圧力のイメージを軟らかいボールを用いた例で解説していきます。(ボールを水だと仮定してイメージしてみてください)流体中にかかる圧力というのは、その流体の重さによってかかっているので、容器内のボールの上層から順番にどのような向きの力がかかっているのかを見ていきます。まずは上から1層目に存在するボールの重さによって、2層目に存在するボールに力が加わります。次に2層目のボールは横方向に力が流れ(1層目のボールの重さ分の力)、下方向(3層目)に1層目と2層目のボールの重さによる力が加えられます。また各方向へと力が流れていきますが、作用反作用の法則によってそれらの力とは逆向きの力も加わります。最終的に水圧の関係は上図のようになります。下方向だけではなくあらゆる方向から水圧がかかっているのが分かりますよね。そして深い層になるにつれてボール同士に働く圧力は大きくなっています。膨らませた風船を水中に沈ませれば全体的に水圧がかかることで小さくなりますが、正確には風船全体に等しい水圧がかかるというわけではありません。水深が深いほど風船には大きな水圧がかかるので、正しい水圧のかかり方は下図のようになります。水深が深くなるほど水圧を表している矢印が大きくなっていますよね。これが流体中(水圧だけでなく)における圧力のかかるイメージになります。浮力は流体によって発生する下方向からの圧力のこと最後ですが結論から言ってしまうと浮力というのは、流体によって発生する下方向からの圧力のことを指しています。先ほど解説した図に力の大きさを加えてみたので、まずは下を見てください。(数字は水圧の大きさになりますが、適当に付けたものです)上図では風船に上からかかる圧力、下からかかる圧力、左右横からかかる圧力で分けています。水深が深くなるほど風船にかかる圧力は大きくなっていくので、この中だと風船に下からかかる圧力が最も大きくなります。そして浮力というのは流体によって発生する下方向からの圧力のことで、この場合だと”浮力=風船の下からかかる圧力-風船の上から掛かる圧力”のことを言います。ですので数字で言うと、”浮力=7(下からの圧力)-3(上からの圧力)=4”ということになります。(左右横からかかる圧力は同じ大きさなので、横からの圧力は打ち消し合います)このとき水の上に物体が浮かぶのは”浮力>物体にかかる重力”となるからで、反対に”浮力<物体にかかる重力”となれば水の上には浮かばずに物体が沈んでいくことになります。また浮力は流体の重さによって発生する下方向からの圧力のことなので、無重力状態の空間では物体に浮力は発生しないので覚えておいてくださいね。関連:重力加速度とは?仕組みを分かりやすく図解!関連:重力と重力加速度と重さ(重量)の違いとは?3.重い(密度が大きい)流体ほど浮力は大きくなるでは重い(密度が大きい)流体ほど浮力が大きい理由を見ていきましょう。浮力というのは流体の重さによって発生する下方向からの圧力のことで、浮力の大きさはその流体の重さが重いほど大きくなると言えます。なので流体の重さが軽いほど(密度が小さいほど)、浮力も小さくなるということです。上図の2層目と3層目ではそれよりも上層にある水(流体)の重さが基準となって、周囲へと発生する流体の圧力の大きさが決まっています。例えば上層にある流体が軽ければ”1”の圧力しか下層へとかかっていきませんが、上層にある流体が重いのであれば”10”の圧力が下層へとかかってしまいます。そして浮力はその流体の重さによって発生する下方向からの圧力のことなので、上層から下層へかかる流体による圧力が大きくなるほど、下方向からの力である浮力も大きくなります。このようにその流体が重い(密度が大きい)ほど、浮力というのは大きくなるんですね。以上が「浮力とは何か?浮力の原理を簡単に図で解説!」でした。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});4.まとめこれまで説明したことをまとめますと、浮力とは流体中において物体に対して、流体から上向きに働く力のこと。流体によって発生する圧力(水圧・気圧など)は、一定方向ではなくあらゆる方向からかかっている。浮力と言うのは、流体によって発生する下方向からの圧力のこと。重い(密度が大きい)流体ほど、浮力は大きくなる。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});関連ページ⇒なぜ真水(淡水)よりも海水の方が体がよく浮くのか?⇒浮力と流体の密度の関係について。流体の密度で浮力が変化する仕組みとは?⇒死海とは?死海の由来は?なぜ死海は他の海よりも浮くことができるのか?⇒水温と浮力の関係について。水温によって浮力が変化する仕組みとは?⇒水圧と浮力の違いについて簡単に図で解説!⇒なぜ氷は空気中よりも水中の方が溶けやすいのか?⇒熱気球とは?また熱気球はどんな原理で空中に浮いているのか?⇒気圧と大気圧の違いとは?⇒海水と淡水と真水の違いとは?⇒自由落下とは?空気抵抗・重さ・質量は関係ないのかを簡単に解説!