結論から言ってしまうと、億劫の正しい読み方は「おっくう」「おくこう」「おっこう」になります。
億劫の”億”は「おく」(促音化により「おっ」)、”劫”は「きょう」「こう」「ごう」と読むことはできますが、”劫”は「きょく」と読むことはできず、億劫を「おっきょく」と読むのは間違いです。
(促音化とは、2つの語(億+劫)が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語(カ行・サ行・タ行・パ行)の前に付いた音が「っ」(これを促音という)に変化する現象のこと)
一般的には億劫は「おっくう」と読むことがほとんどです。
ただ億劫は「おっくう」「おくこう」「おっこう」のどれで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また億劫の”劫”という字は単体で「くう」と読むことはできませんが、
日本語における音変化によって「おっこう」から「おっくう」という読み方に変化しました。
音変化というのは簡単に言うと、”発音しにくい音を発音しやすい音に変化させたもの”です。
この音変化により、億劫は通常では読むことができない「おっくう」という読み方になったんですね。
次の章で億劫の意味について解説していきます。
億劫(おくこう、おっこう)は「(仏教用語)1劫(こう)の1億倍。極めて長い時間のこと/(転じて)面倒くさくて気が進まないこと。また、そのさま」の意味として用いられています。
劫(こう)というのは”古代インドにおける時間の単位のうち、最長の単位のこと”で、時間にすると「1劫=43億2000万年」を指します。
なので億劫(おくこう、おっこう)の前者の意味は「43億2000万年×1億=43京(けい)2000兆年」となり、とてつもなく長い時間がかかってしまいやりきれない意から後者の意味としても使われます。
億劫を「おくこう」「おっこう」と読むと上記のような意味になりますが、
「おっくう」と読むと「面倒くさくて気が進まないこと。また、そのさま」の意味のみとなります。
このように億劫は「おくこう」「おっこう」「おっくう」のどれで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
億劫を用いた例文としては、「毎日会社に行くのが億劫だ」や、
「勉強するのが億劫でずっと寝ていた」のような使い方で用いられています。
また億劫の類義語としては、「気重(きおも)・大儀(たいぎ)・辟易(へきえき)・物憂い(ものうい)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても億劫と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「億劫の読み方と意味、”おっくう”と”おっきょく”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど