結論から言ってしまうと、塩汁の正しい読み方は「しおじる」「しょっつる」の両方になります。
塩汁の”塩”は「しお」「えん」、”汁”は「しる」「つゆ」(連濁により「じる」)と読むことができます。
(連濁とは、2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと)
一般的には塩汁は「しょっつる」と読むことがほとんどです。
ただ塩汁は「しおじる」「しょっつる」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
塩汁を「しょっつる」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「塩汁(しょっつる)」に用いられている”塩”は単体で「しょっ」と読むことはできず、”汁”も単体では「つる」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で塩汁の意味について解説していきます。
※上は塩汁鍋(しょっつるなべ)の写真
塩汁(しおじる)は「塩味だけで調味した汁のこと/海水。また、塩水のこと」の意味として用いられています。
塩汁を「しおじる」と読むと上記のような意味になりますが、
「しょっつる」と読むと「調味料のひとつ/しょっつる鍋の略」の意味となります。
前者はイワシ・ハタハタなどを塩漬けにし、魚の成分が溶け合ってどろどろになった汁を濾(こ)したもので、秋田特産の魚醤油(うおじょうゆ)を指します。
塩汁鍋(しょっつるなべ)というのは、”ハタハタなど白身の魚や豆腐、野菜などをしょっつる(秋田特産の魚醤油)で味付けした、秋田県の郷土料理のこと”です。
ちなみにハタハタの卵のことを”ぶりこ(または、ぶりっこ)”と呼び、ぶりこはヌルヌルとした粘液で覆われているのが特徴的です。
このように塩汁は「しおじる」「しょっつる」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
以上が「塩汁の読み方と意味、”しおじる”と”しょっつる”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど