さて日常的に使われるもので「後退る」という言葉があります。
この後退るに用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
後退るがどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは後退るの読み方と意味、「あとずさる」と「こうたいる」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
では後退るの正しい読み方は、「あとずさる」「こうたいる」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、後退るの正しい読み方は「あとずさる」になります。
後退るの”後”は「あと」「うし(ろ)」「こう」、”退”は「しりぞ(く)」「すさ(る)」「たい」と読むことができますが、後退るを「こうたいる」と読むのは間違いです。
また”退”の読み方は「すさ(る)」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ずさ(る)」という読み方をすることはできません。
後退るのように「あとすさる」ではなく、「あとずさる」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
後退るであれば、後(あと)+退る(すさる)なので、退る(後ろの語)の語頭である清音の”す”が濁音の”ず”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で後退るの意味と類義語について解説していきます。
では後退るの意味と類義語について見ていきましょう。
まず後退るは「(驚きや恐れなどによって)前を向いたまま後ろに下がること」の意味として用いられています。
後退るを用いた例文としては、「彼の気迫に思わず後退る」や、
「草むらからいきなり蛇が出てきて後退る」のような使い方で用いられています。
また後退るの類義語としては、「退行(たいこう)・退散(たいさん)・尻込み(しりごみ)・及び腰(およびごし)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても後退ると意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「後退るの読み方と意味、”あとずさる”と”こうたいる”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、