結論から言ってしまうと、雪隠の正しい読み方は「せっちん」「せついん」の両方になります。
雪隠の”雪”は「ゆき」「せつ」、”隠”は「かく(れる)」「いん」「おん」と読むことができます。
ただ一般的には雪隠は「せっちん」と読むことがほとんどです。
また雪隠の読み方はそのままだと「せついん」と読むことはできますが、「せっちん」という読み方をすることはできません。
雪隠のように「せついん」ではなく、「せっちん」と変化して読むのは、日本語の「連声(れんじょう)」と呼ばれているものです。
連声とは、”ア行(母音)・ヤ行・ワ行で始まる語が、「m」「n」「t」を末尾に持つ語に結びついたとき、発音しやすくするために、後ろの語(ア行・ヤ行・ワ行で始まる語)の語頭がマ行・ナ行・タ行の音に変化する現象のこと”を言います。
雪隠(せっちん)であれば、雪(せつ)[set](「t」を末尾に持つ語)+隠(いん)[in](ア行で始まる語)なので、隠(いん)[in](後ろの語)の語頭である”い”がタ行の音である”ち”に変化します。
・雪(せつ)[set] + 隠(いん)[in] → 雪隠(せっちん)[settin]
例えば「三位(さんみ)」や「銀杏(ぎんなん)」は連声なしで読むと、
「さんい」や「ぎんあん」と読むのが普通です。
・三(さん)[san] + 位(い)[i] → 三位(さんみ)[sanmi]
・銀(ぎん)[gin] + 杏(あん)[an] → 銀杏(ぎんなん)[ginnan]
もともと”位”には「み」という読み方はないですし、”杏”にも「なん」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連声によってマ行・ナ行・タ行の音に変化するため、
「三位(さんみ)」「銀杏(ぎんなん)」と変化させて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連声によって、マ行・ナ行・タ行の音に変化するわけではないので注意してください。
次の章で雪隠の意味について解説していきます。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど