さて日常的に使われることはほとんどないですが、「半銭」という言葉があります。
この半銭に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
半銭がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは半銭の読み方と意味、「きなか」と「はんせん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.半銭の正しい読み方は「きなか」「はんせん」?
では半銭の正しい読み方は、「きなか」「はんせん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、半銭の正しい読み方は「きなか」「はんせん」の両方になります。
半銭の”半”は「なか(ば)」「はん」、”銭”は「ぜに」「せん」と読むことができます。
一般的には半銭は「はんせん」と読むことが多いです。
ただ半銭は「きなか」「はんせん」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
半銭を「きなか」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「半銭(きなか)」に用いられている”半”は単体で「き」と読むことはできず、”銭”も単体では「なか」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で半銭の意味について解説していきます。
2.半銭の意味について
では半銭の意味について見ていきましょう。
まず半銭(きなか)は「1文(もん)の半分のこと/ほんの少しのこと」の意味として用いられています。
文(もん)というのは”江戸時代に使用されていたお金”になります。
半銭の「きなか」は上記のような意味になりますが、「はんせん」と読むと「1銭(せん)の半分のこと/わずかな金銭のこと」の意味となります。
このように半銭は「きなか」「はんせん」のどちらで読むかによって、意味が少し異なるので覚えておきましょう。
以上が「半銭の読み方と意味、”きなか”と”はんせん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 半銭の正しい読み方は「きなか」「はんせん」の両方。
- 半銭(きなか)は「1文(もん)の半分のこと/ほんの少しのこと」の意味。
- 半銭(はんせん)は「1銭の半分のこと/わずかな金銭のこと」の意味。