さて日常的に使われるもので「肝心」という言葉があります。
この肝心に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
肝心がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは肝心の読み方と意味、「かんじん」と「かんしん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.肝心の正しい読み方は「かんじん」「かんしん」?
では肝心の正しい読み方は、「かんじん」「かんしん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、肝心の正しい読み方は「かんじん」「きもごころ」になります。
肝心の”肝”は「きも」「かん」、”心”は「こころ」「しん」と読むことができますが、肝心を「かんしん」と読むのは間違いです。
一般的には肝心は「かんじん」と読むことがほとんどです。
(「かんじん」は他にも”肝腎”と書き表されますが、一般的には肝心と表記することがほとんどです)
ただ肝心は「かんじん」「きもごころ」のどちらで読むかによって、意味が異なるので注意が必要です。
(次の章でそれぞれの意味について解説していきます)
また”心”の読み方は「こころ」「しん」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ごころ」「じん」という読み方をすることはできません。
肝心のように「きもこころ」「かんしん」ではなく、「きもごころ」「かんじん」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
肝心であれば、肝(きも・かん)+心(こころ・しん)なので、心(後ろの語)の語頭である清音の”こ・し”が濁音の”ご・じ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では、連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で肝心の意味と類義語について解説していきます。
2.肝心の意味と類義語について
では肝心の意味と類義語について見ていきましょう。
まず肝心(かんじん)は「最も重要なこと。また、そのさま」の意味として用いられています。
「かんじん」は”肝心・肝腎”と書き表されるように、肝臓と心臓や腎臓(じんぞう)は、人体にとって必要不可欠であることから来ている言葉になります。
肝心を「かんじん」と読むと上記のような意味になりますが、
「きもごころ」と読むと「心。魂のこと」の意味となります。
このように肝心は「かんじん」「きもごころ」のどちらで読むかによって、意味が異なるので覚えておきましょう。
肝心を用いた例文としては、「冷静になることが肝心だ」や、
「肝心な事を忘れている気がする」のような使い方で用いられています。
また肝心の類義語としては、「大要(たいよう)・必須(ひっす)・枢要(すうよう)・不可欠(ふかけつ)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても肝心と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「肝心の読み方と意味、”かんじん”と”かんしん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 肝心の正しい読み方は「かんじん」「きもごころ」の両方で、「かんしん」は間違い。
- 肝心(かんじん)は「最も重要なこと。また、そのさま」の意味。
- 肝心(きもごころ)は「心。魂のこと」の意味。
- 肝心の類義語には、「大要・必須・枢要・不可欠」などがある。