さて日常的に使われるもので「紙鳶」という言葉があります。
この紙鳶に使用されている漢字(特に”鳶”)は普段あまり見ることはなく、
どのような読み方なのか分からないという人も多いですよね。
そこでこのページでは紙鳶の読み方と意味、「しえん」と「しせん」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.紙鳶の正しい読み方は「しえん」「しせん」?
では紙鳶の正しい読み方は、「しえん」「しせん」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、紙鳶の正しい読み方は「しえん」「たこ」「いか」「いかのぼり」になります。
紙鳶の”鳶”は「とんび」「とび」「えん」と読むことができますが、「せん」と読むことはできず、紙鳶を「しせん」と読むのは間違いです。
ただ一般的には紙鳶は「たこ」と読むことが多く、「たこ」は紙鳶ではなく”凧(たこ)”と書き表されることがほとんどです。
紙鳶を「たこ」「いか」「いかのぼり」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「紙鳶(たこ、いか、いかのぼり)」に用いられている”紙”は単体で「た」「い」「いか」と読むことはできず、”鳶”も単体では「こ」「か」「のぼり」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で紙鳶の意味について解説していきます。
2.紙鳶の意味について
では紙鳶の意味について見ていきましょう。
まず紙鳶は「竹などの骨組みに紙またはビニールを張り、糸を付け、風力を利用して空高く揚(あ)げる玩具(おもちゃ)のこと」の意味として用いられています。
「しえん」「いか」「いかのぼり」というのは、「たこ」の別名です。
形が烏賊(いか)に似ていることから、主に関西地方では「いか」「いかのぼり」とも呼ばれます。
(いま現在では様々な形のものがあり、全てが烏賊に形が似ているわけではありません)
以上が「紙鳶の読み方と意味、”しえん”と”しせん”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 紙鳶の正しい読み方は「しえん」「たこ」「いか」「いかのぼり」で、「しせん」は間違い。
- 紙鳶は「竹などの骨組みに紙またはビニールを張り、糸を付け、風力を利用して空高く揚げる玩具のこと」の意味。