さて日常的に使われるもので「口遊む」という言葉があります。
この口遊むに用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
口遊むがどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは口遊むの読み方と意味、「くちずさむ」と「くちあそむ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.口遊むの正しい読み方は「くちずさむ」「くちあそむ」?
では口遊むの正しい読み方は、「くちずさむ」「くちあそむ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、口遊むの正しい読み方は「くちずさむ」になります。
口遊むの”遊”は「あそ(ぶ)」「すさ(ぶ)」「ゆう」と読むことができますが、
口遊むは「くちずさむ」と読むのが正しく、「くちあそむ」と読むのは間違いです。
また”遊”の読み方は「すさ(む)」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ずさ(む)」という読み方をすることはできません。
口遊むのように「くちすさむ」ではなく、「くちずさむ」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
口遊むであれば、口(くち)+遊む(すさむ)なので、遊む(後ろの語)の語頭である清音の”す”が濁音の”ず”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で口遊むの意味と類義語について解説していきます。
2.口遊むの意味と類義語について
では口遊むの意味と類義語について見ていきましょう。
まず口遊むは「歌やメロディなどを思いつくままに口にしたり歌ったりすること」の意味として用いられています。
口遊むを用いた例文としては、「昔聞いた歌を口遊む」や、
「自然とそのメロディを口遊んでいた」のような使い方で用いられています。
また口遊むの類義語としては、「小声(こごえ)・囁く(ささやく)・呟く(つぶやく)・耳打ち(みみうち)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても口遊むと意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「口遊むの読み方と意味、”くちずさむ”と”くちあそむ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 口遊むの正しい読み方は「くちずさむ」で、「くちあそむ」は間違い。
- 口遊むは「歌やメロディなどを思いつくままに口にしたり歌ったりすること」の意味。
- 口遊むの類義語には、「小声・囁く・呟く・耳打ち」などがある。