さて日常的に使われることはほとんどないですが、「五月闇」という言葉があります。
この五月闇に用いられている漢字自体はさほど難しくないですが、
五月闇がどの読み方なのか悩んだことがあるという人も多いですよね。
そこでこのページでは五月闇の読み方と意味、「さつきやみ」と「ごがつやみ」どちらが正しいのかを解説します。
どうぞご覧ください。
1.五月闇の正しい読み方は「さつきやみ」「ごがつやみ」?
では五月闇の正しい読み方は、「さつきやみ」「ごがつやみ」どちらなのかを見ていきましょう。
結論から言ってしまうと、五月闇の正しい読み方は「さつきやみ」になります。
五月闇の”五”は「ご」、”月”は「つき」「がつ」「げつ」、”闇”は「やみ」と読むことができますが、五月闇を「ごがつやみ」と読むのは間違いです。
五月を「さつき」と読むのは”熟字訓(じゅくじくん)”と言われる読み方で、
熟字訓とは漢字1字に読み方をあてるのではなく、熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方のことです。
熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に訓読みをあてた読み方だから、熟字訓(じゅくじくん)です。
”訓読みは漢字の持つ意味を日本語に翻訳したところから生まれた読み方”のことで、”音読みは中国語としての漢字の発音に基づく読み方”のことです。
なので”草”の訓読みは「くさ」で聞いただけで意味を理解できますが、
音読みは「そう」でこれだけでは意味が分からないですよね。
訓読みはそれだけで意味が分かる読み方のものが多く、音読みはそれだけでは意味が分からないものが多いです。
そして熟字訓は熟字(2字以上の漢字の組み合わせ)に読み方があてられているため、漢字単体に読み方が振り分けられているわけではありません。
例えば「五月(さつき)」に用いられている”月”は単体で「つき」と読むことはできますが、”五”は単体では「さ」と読むことはできません。
ですので漢字1字の訓読み(草:くさ)のように、その熟字だけで意味が伝わるように読み方があてられているものが熟字訓というわけなんですね。
熟字訓と言われる読み方は特殊で、あらかじめその言葉の読み方を知っていなければ、読み方が分からないものがほとんどです。
次の章で五月闇の意味と類義語について解説していきます。
2.五月闇の意味と類義語について
では五月闇の意味と類義語について見ていきましょう。
まず五月闇は「五月雨(さみだれ)が降る頃の夜の暗さのこと」の意味として用いられています。
五月雨(さみだれ)と言うのは、「陰暦の5月頃に降る長雨のこと」で、別名として”梅雨(つゆ)”と呼ばれることが多いです。
陰暦というのは旧暦のことで、陰暦の5月頃を新暦にすると”だいたい5月下旬~6月下旬頃”となります。
また五月闇の類義語としては、「夏闇(なつやみ)・暗夜(あんや)・常闇(とこやみ)・夜陰(やいん)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても五月闇と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「五月闇の読み方と意味、”さつきやみ”と”ごがつやみ”正しいのは?」でした。
3.まとめ
これまで説明したことをまとめますと、
- 五月闇の正しい読み方は「さつきやみ」で、「ごがつやみ」は間違い。
- 五月闇は「五月雨が降る頃の夜の暗さのこと」の意味。
- 五月闇の類義語には、「夏闇・暗夜・常闇・夜陰」などがある。