結論から言ってしまうと、山伏の正しい読み方は「やまぶし」になります。
山伏の”伏”は「ふ(せる)」「ふ(し)」「ふく」と読むことができますが、
山伏は「やまぶし」と読むのが正しく、「さんぷく」と読むのは間違いです。
また”伏”の読み方は「ふし」と読むことはできますが、
もともとそれ単体では「ぶし」という読み方をすることはできません。
山伏のように「やまふし」ではなく、「やまぶし」と濁って読むのは、日本語の「連濁(れんだく)」と呼ばれているものです。
連濁とは、”2つの語が結びついて1つの語になるときに、発音しやすくするために、後ろの語の語頭が清音から濁音に変化する現象のこと”を言います。
山伏であれば、山(やま)+伏(ふし)なので、伏(後ろの語)の語頭である清音の”ふ”が濁音の”ぶ”に変化します。
例えば「手紙(てがみ)」や「綿毛(わたげ)」は連濁なしで読むと、
「てかみ」や「わたけ」と読むのが普通です。
もともと”紙”には「がみ」という読み方はないですし、”毛”にも「げ」という読み方は存在しません。
ですが日本語では連濁によって後ろの語頭が清音から濁音に変わるため、
「手紙(てがみ)」「綿毛(わたげ)」と濁らせて読んでいるのです。
ただすべての言葉が連濁によって濁音に変化するわけではないので、注意してください。
次の章で山伏の意味と類義語について解説していきます。
山伏は「山野(さんや)に野宿すること/山野に寝起きして修行する僧のこと/修験者(しゅげんじゃ)のこと」の意味として用いられています。
修験者というのは”修験道の修行者のこと”で、修験道というのは”日本仏教の一派のこと”です。
山伏を用いた例文としては、「山伏が修行する場所」や、
「山伏の峰入り」のような使い方で用いられています。
前者の例文は「山野に寝起きして修行する僧のこと」の意味で、
後者の例文は「修験者のこと」の意味で使用しています。
また山伏の類義語としては、「修行僧(しゅぎょうそう)・僧門(そうもん)・坊主(ぼうず)・住職(じゅうしょく)」などの言葉が挙げられます。
どの言葉についても山伏と意味は似ていますが、まったく同じ意味ではないので注意してください。
以上が「山伏の読み方と意味、”やまぶし”と”さんぷく”正しいのは?」でした。
これまで説明したことをまとめますと、
<難読漢字の一覧>
(写真あり)藜、櫛、羆など
(写真あり)竜髭菜、青梗菜、蕗など
(写真あり)岩魚、栄螺、鱧など
(写真あり)海驢、犀、猫鼬など
(写真あり)花鶏、信天翁、杜鵑など
(写真あり)薊、金木犀、百合など
(写真あり)水黽、蟋蟀、蟷螂など
(写真あり)外郎、皮蛋、雲呑など
(写真あり)行灯、暖簾、轆轤など
<読み間違えやすい漢字の一覧>
哀悼、重複、出生、集荷など
依存、過不足、続柄など
<難読漢字の一覧(偏)>
(写真あり)鯆、鰍、鰉など
(写真あり)蝗、蠍、蝮など
(写真あり)梲、栂、樅など
(写真あり)鎹、鍬、釦など
<覚えておきたい知識>
鉄火巻きの具材は?、クリスマス・イヴはいつ?など
(写真あり)カラーボックス、ACアダプターなど